【5.1】「オピオイドローテーション」
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【5.1】:1
 オピオイドローテーションの概念
 わが国では癌疼痛治療に使用できる強オピオイドがモルヒネのみであるという時期が長く、モルヒネの効果が少ないと思われる疼痛には、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)の併用から始まり、抗痙攣薬、抗鬱薬などの鎮痛補助薬をコルチコステロイドも併用して使う、多剤併用の傾向がある。鎮痛補助薬の使用の仕方は、施設間格差がある。鎮痛補助薬が適切に使われれば、疼痛がコントロールされる前に、オピオイドの副作用のみが強く前面に出ることも少ない可能性が考えられる。強オピオイドの選択肢が少ないわが国では、選択肢の多い国と同じ概念からなる「オピオイドローテーション」が成り立つとはいえない。
 今後、わが国で使用可能な強オピオイドとしては、モルヒネ、オキシコドン、フェンタニルが挙げられる。オピオイドの投与を開始する際、オキシコドンで開始し、注射剤が必要な時にモルヒネに変更する、腎不全患者でモルヒネによるせん妄、呼吸抑制が出たらフェンタニルに変更する、あるいは経口摂取が困難な患者にフェンタニールパッチを使用するといった選択肢は考えられる。しかし、メサドンのような「切り札」となるオピオイドがない現状では、いずれのオピオイドを使用するにしても、複数の鎮痛補助薬と併用する多剤併用の形を取らざるをえない。強オピオイドの副作用を避け、よりよい鎮痛を得るという「オピオイドローテーション」の基本的な考え方は同じであるが、多数の強オピオイドの選択肢をもつ欧米の「オピオイドローテーション」とは異なったものにならざるをえないであろう。
 今後、オピオイドローテーションという言葉が、わが国でも多用されると思うが、現在欧米で提唱されている「オピオイドローテーション」とはその内容においてかなり異なることを念頭において使う必要があると考える。
,ターミナルケア(2003),13,1,9

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【5.1】:2
 オピオイドローテーションの適応には、疼痛コントロールが不良であり、(1)オピオイドの毒性による強い副作用がある、(2)急速な耐性の出現がみられる、(3)難治な疼痛がある、などが挙げられる。オピオイドローテーションの必要は40%前後の患者に生じ、その効果は約70%で得られるとされ、オピオイドローテーションを行った理由の内訳は、認知障害39%、幻覚症24%、疼痛コントロール不良16%、ミオクローヌス11%、嘔気9%との報告がある。
,ターミナルケア(2003),13,1,7

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【5.1】:3
 オピオイドの副作用のため、オピオイドの変更をする場合、相互耐性の欠如を計算に入れ、新しいオピオイドは20〜30%減量する。これはオピオイド間の相互耐性が完全ではないからである。たとえばある患者があるオピオイドで、眠気に対する耐性を獲得しても、相当する量の別のオピオイドに変更するとその患者は再び眠気を経験する。
,エドモントン緩和ケアマニュアル(1999),,,26
   
 

 

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