【5.12】「クリスピン注1号」
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【5.12】:1
 トラマドール(クリスピン)
 (1)薬理
 生体利用率は70%と高く、最高血中濃度に達するまでの時間は2時間、排泄半減期は6時間、鎮痛効果の作用時間は4〜6時間、コデインとの力価比は2である。またモルヒネとの力価比は、注射では1/10、経口では1/5である。
 (2)特徴 
 トラマドールは同じ鎮痛効果を発揮するモルヒネ量と比較した場合、便秘や呼吸抑制の発現が少ない特徴がある。高血圧、うっ血性心不全、腎不全患者においても使用可能である。本邦では注射薬のみ利用可能である。通常1回量100〜150mgを用いる。以後必要に応して4〜5時間毎に投与する。経口薬は約100カ国で発売されており、本邦でも現在、癌疼痛と術後疼痛について経口薬の治験が進行中である。
,ペインクリニック(2002),23,12,1630

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【5.12】:2
 トラマドール(クリスピン注1号)は中枢作用の合成鎮痛薬であり、オピオイドの特性と非オピオイドの特性の双方を特っている。消化管で迅速に吸収され、全身循環系に達する割合は約7O%である。経口投与したコデインやモルヒネとの効力比については議論があるが、トラマドールはコデインの約2倍、モルヒネの約5分の1の効力を持ち、非経□投与したときにはモルヒネの約10分の1の効力を特つと考えられている。
 トラマドール(クリスピン注1号)の代謝産物には薬理作用があり、この代謝産物はトラマドールの2〜4倍の効力を持ち、その血中半減期は約6時間である。よく使われる50〜lOOmg/回を4〜6時間ごとに経□投与したとき、トラマドールによる便秘と呼吸抑制の発生頻度は、同効量の他のオピオイド鎮痛薬によるよりも低い。依存性が弱いことから、トラマドールは麻薬には指定されていない(訳注:日本ではトラマドールは注射剤のみが入手できる)
,がんの痛みからの解放-WHO方式がん疼痛治療法-第2版,,,26

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【5.12】:3
 トラマドールは癌性疼痛に対して、WHOが提唱するガイドラインのステップ2において推奨される鎮痛薬の一つである。静脈内および筋肉内投与において、トラマドールの50〜150mgは、モルヒネの5〜15mgと同等の鎮痛効果をもち、硬膜外投与では、モルヒネの1/13といわれている。開胸術後の鎮痛効果は、硬膜外モルヒネ群(0.2mgボーラス投与 0.2mg/時間)と、静注トラマドール(150mgボーラス投与450mg/日)が同等であり、胸部硬膜外腔にカテーテルを留置する必要性がなく有用であると報告されている。
 副作用は、めまい、悪心、鎮静、口渇、発汗等2.5〜6.5%においてみられるが、臨床的に使用される量(0.5〜2mg/kg)において、呼吸抑制や循環動態の変化は問題とならないといわれている。モルヒネなどのオピオイドに比べ、副作用も頻度は低く、耐性や身体依存、乱用等も生じにくいといわれている。
,ペインクリニック(2002),23,12,1663
   
 

 

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