| 【5.8】「レペタン(ブプレノルフィン)」 | |
| #1 【5.8】:1 ブプレノルフィンはモルヒネの代替え薬として中等度〜高度の強さの痛みの治療に用いられる。モルヒネは気管支収縮作用があるため、気管支喘息発作中の患者には禁忌となっているものの、ブプレノルフインは気管支喘息を有する患者への投与が可能である。 ,麻酔科診療プラクティス 4癌性疼痛管理(2001),,,28 【5.8】:2 癌性疼痛にはじめてレペタンを持続皮下注する場合1日0.2〜0.4mgから始める。すでに経口や坐薬で投与されていた患者はその量の半分の量から始める。 ,ターミナルケアマニュアル第2版(1992),,,148 ,ターミナルケアマニュアル第3版(1997),,,173 ,緩和ケアマニュアル(ターミナルケアマニュアル第4版)(2001),,,39 #1 【5.8】:3 レぺタン注(ブプレノルフィン) オピオイド共通の副作用である悪心、嘔吐、眠気、呼吸抑制の頻度はモルヒネ注よりやや少ないとされるが、吐き気や嘔吐の出現がモルヒネよりも多い印象がある。耽溺性、依存性はペンタシン注より生じにくい。血圧上昇、血管抵抗上昇など循環への影響もペンタジンより少ないので心筋梗塞の強い痛みにも用いられる。単回使用では鎮痛効果、副作用ともモルヒネ注より長く持続する。μ受容体の部分作働薬であるが、モルヒネよりはるかに受容体への親和性が高いので、モルヒネと併用すると部分的に競合し、ペンタシンよりも強い抵抗性を示す。したがってモルヒネとレペタンは原則として併用しない。週量投与による呼吸抑制はナロキソンで拮抗されにくいのでドプラム(ドキサブラム)を使用する。 ,がん終末期・難治性神経筋疾患進行期の症状コントロール(2000),,,92 【5.8】:4 癌性疼痛に対するレペタン持続皮下注入法 開始時に0.04mg〜0.06mgを早送りし、1日0.2〜0.4mg程度の注入速度より開始する。鎮痛効果を見ながら1日3〜5割ごとに増量する。最大投与量は1日2mgまでとされる。 ,がんの症状マネジメント(1997),,,40 【5.8】:5 レペタン持続皮下注入法 開始時に血中濃度を上昇させるために、0.04〜0.06mgを皮下に早送りしてから開始する。0.2mg/日程度の速度より開始し、必要に応じて1日投与量の3〜5割の増減を目安として調節する。レペタン坐剤は経口投与量とほぼ同量でよいと考えている。 ,ターミナルケア(1995),7,1,46 【5.8】:6 癌性疼痛に対するレペタンの持続静注投与量 レペタンは0.05〜0.1mgを急速注入して血中濃度を上昇させた後、0.48mg/日を標準量としているが、肝腎機能障害、高Ca血症の存在、高齢者など副作用が予想させる場合はこの半量から開始する。さらに副作用への予防的な対応が必要な場合には生食やプリンペランで2倍に希釈し0.12mg/日から開始。一般的な増量法は0.48-0.72-0.96-1.44-1.92mg/日である。疼痛時は0.05mgを急速注入する。 ,がんの症状マネジメント(1997),,,88 【5.8】:7 レペタン持続皮下注入法開始のマニュアル レペタンによる持続皮下注入法を行う際には、本法の施行に先行して行われていた鎮痛法を検討することから始める。 以下は、それぞれの場合における開始法のマニュアルである。 (1)WHO方式癌疼痛治療法の第1段階が行われていた場合は、レペタン0.1mg皮下あるいは筋肉内に注射して、引き続いて0.2mg/日の持続皮下注入を開始する。 (2)WHO方式癌疼痛治療法の第2段階が行われていた場合は、コデインの1日内服量(mg)の1/750量(mg)のレペタンを1日量として持続皮下注入を開始する。この際も注入開始に先立って、レペタン0.1mgを皮下あるいは筋肉内に注射する。コデインの代替剤としてレペタンの坐剤が用いられていたときは、1日坐剤与薬量(mg)の1/2量(mg)のレペタンを1日量として、持続注入法を開始する。レペタンの内服が用いられていたときは、1日内服与薬量(mg)の1/5倍量(mg)のレペタンを1日量として、持続皮下注入を開始する。いずれの場合も注入開始に先立って、レペタン0.1mgを皮下あるいは筋肉内に注射する。 (3)ソセゴン、スタドール、レペタンといった拮抗性鎮痛薬の頓用注射を受けていた患者は、鎮痛効果を安定したものにするためにレペタンの持続皮下注入法にした方がよい。この場合の初期投与量はどの程度の量の鎮痛薬を用いていたかによって異なるが、一応の目安としては、レペタン0.1mgの皮下注射に引き続いて、レペタンを1日量として0.2〜0.4mg持続皮下注入する。 ,癌の痛みハンドブック(1992),,185 【5.8】:8 癌性疼痛に対するモルヒネ、レペタンの持続静注 レペタン、モルヒネとも、24時間後の除痛効果と副作用によって判定し増量するが、疼痛時の急速注入が3回/日以上必要な場合には1日量を増やしている。 ,がんの症状マネジメント(1997),,,89 #1 【5.8】:9 レペタン筋注 臨床的には筋肉内投与の場合、投与後30分で作用が現れ始め、最大効果は3時間後にみられ、鎮痛効果持続時間は6〜9時間に及ぶ。したがって、この場合は8時間ごとに投与することが望ましい。坐剤を直腸内に投与した場合は、筋肉内投与に比べ血漿中濃度の上昇は緩やかで、用量反応性がみられる。効果発現時間は投与後約30分からみられ、その作用は約8〜12時間持続する。したがって8〜12時間ごとに反復投与することが望ましい。 ,「モルヒネによるがん疼痛緩和」改訂版(2001),,,106 #1 【5.8】:10 レペタン坐薬 軽度から中等度の癌疼痛を有する患者を対象として、ブプレノルフィンの坐剤0.2mgと注射薬0.2mgとを投与し、鎮痛効果について二重盲検法に基づいて比較検討を行った結果によると、両群間において疼痛程度の推移に差が認められていない。つまりブプレノルフィンは同量であれば坐剤も注射剤も鎮痛効果は同等と考えられ、切り替えは同量でよいといえる。 一方、経口投与の場合はbioavailabilityが13%と低く、肝臓で速やかに代謝されるため効果が不十分とされている。 ,「モルヒネによるがん疼痛緩和」改訂版(2001),,,106 *5 【5.8】:11 レペタンは経口投与が有効であるが、経口では初回通過により代謝を受けるので舌下投与に比べて投与量を多くしなければならないと考えられている。0.2mgの舌下投与は同量の筋注あるいは0.05mgを硬膜外投与した場合と同等の鎮痛効果があると報告している。 ,ターミナルケア(1998),8,2,128 【5.8】:12 レペタン内服液は注射剤を精製水で薄めて1回量5〜10mLとなるように調製する。その特徴は長時間作用性で精神神経系副作用が少ない(レペタンによる混乱は非常に稀である)。 1回0.1mg/5mL、1日4回より開始。 鎮痛効果をみながら1〜3日毎に3〜5割増減。 (1日量0.4mg→0.6mg→0.8mg→1.2mg→1.6mg→...) 経口の最大投与量は4.0mg/日 ,ターミナルケアマニュアル第2版(1992),,,26 ,ターミナルケアマニュアル第3版(1997),,,27 【5.8】:13 レペタンの経口投与では、起床時、12時、17時に各0.1mg、就寝時に0.2mgの計0.5mgを初回1日量とする。増量は0.5→1.0→1.5→2.0→3.0→4.0(有効限界)mg/日とする。経口不能な場合、注射薬を舌下投与することにより同様に鎮痛効果を得ることが出来る。 ,今月の治療(1996),4,4,22 【5.8】:14 レペタンカクテル(内服)は1回投与量を10mL、1日投与量は40mL/分4を基準とする。患者の嗜好によってバニラ味、レモン味等を選んで味付けする。 レペタン注 2mL(2A) レモンシロップ 4mL パラベン 適量 常水 適量 −−−−−−−−−−−−−−−−− 1日分 40mL レペタンの投与量が多いときは上記のレペタンの量のみを変更する。 ,がん終末期の症状コントロール(1995),,,187 #1 【5.8】:15 経験的に、レペタン内服の鎮痛力価はモルヒネ内服の10〜20倍であり、鎮痛効果持続時間は数時間程度と考えているが、レペタンカクテルは、ときに強い嘔気。嘔吐のため継続困難になることがある。1回量あるいは1日量の天井効果は不明であるが、1回量が1.0mg以上では吐き気のために使用できないことが多い。 ,がん終末期・難治性神経筋疾患進行期の症状コントロール(2000),,,68 【5.8】:16 レペタンの副作用として、船酔いのような嘔気・めまいがあり、高頻度で出現するので、予防的にノバミンを投与する。30mg分3で使用しているが、経口不能の場合は点滴内に追加する。 ,今月の治療(1996),4,4,23 【5.8】:17 レペタンはモルヒネに比べ嘔気、嘔吐、混乱、便秘の出現率が低く、一方、めまいはレペタンに特徴的な副作用と考えられる。 ,ターミナルケア(1995),7,1,45 【5.8】:18 レペタンは注射より経口の方が、目眩や吐き気などの副作用が弱い印象がある。 ,治療(1995),77,3,168 #1 【5.8】:19 ブプレノルフィンの心臓血管系の作用は、心拍数の減少、血圧低下などであるが、モルヒネと同様に健常人にはほとんどみられない。通常量のブプレノルフィンは非経口投与のモルヒネ10mgと同程度の呼吸抑制があるが、発現はより遅く効果時間はより長くなる。 ,「モルヒネによるがん疼痛緩和」改訂版(2001),,,73 #1 【5.8】:20 筆者には、レペタンは他のオピオイド鎮痛薬に比べて吐き気、嘔吐、めまい、幻覚、もうろう状態などの副作用発現の個体差が大きな鎮痛薬という印象がある。例えば、モルヒネでは吐き気はみられても実際に吐<ことは少ないのに、レペタンでは吐き気が生ずるとその程度は強くしばしば吐いてしまう。また、レペタンの効果持続時間(8時間以上ときに10数時間)が塩酸モルヒネ(数時間)よりもずっと長い分、一度吐き始めると、半日以上にわたって断続的に嘔吐するような状況に陥ることもある。漸増しても疼痛緩和傾向がみられなかったり、副作用が強くて患者の不満が大きいときは、レペタンに拘泥せずに速やかに中等度から高度の痛みに用いるオピオイド鎮痛薬であるモルヒネに切り替える。 ,がん終末期・難治性神経筋疾患進行期の症状コントロール(2000),,,69 【5.8】:21 レペタンの過量投与時の呼吸抑制にはナロキソンは無効である。このためドプラムを使用する。 (中枢神経抑制剤による中毒時のドプラムの使用法。0.5〜2mg/kgをゆっくり静注する。必要に応じて通常量を5〜10分間間隔で投与し、ついで1〜2時間間隔で投与を繰り返す。点滴静注の場合は1.0〜3.0mg/kg/時の速度で投与する。,ドプラム添付文書より) ,痛み治療マニュアル(1993),,,59 #1 【5.8】:22 ブプレノルフィンにより生じる呼吸抑制は、ナロキソンをあらかじめ投与することで予防することはできるが、呼吸抑制が生じた後のナロキソン投与では拮抗させることができない特徴がある。 ,ペインクリニックで用いる薬100+α(2002),,,13 【5.8】:23 レペタンが効果不十分でモルヒネに切り替えるときはレペタンの1日投与量(mg数)を100倍した値を6等分して、モルヒネ投与開始1回量(mg数)とする。 ,モルヒネの副作用対策(1990),,2 ,最新医学(1990),45,4,823 【5.8】:24 モルヒネからレペタンへの切り替えは禁忌 モルヒネの投与を受けている患者にレペタンを投与すると競合的に拮抗してモルヒネの作用を減弱する。長期にわたってモルヒネの大量投与を受けている患者では退薬症状を生じる可能性もあり禁忌である。逆にレペタンからモルヒネへの切り替えにはこのようなリスクはない。 ,痛み治療マニュアル(1993),,,63 #1 【5.8】:25 一般的にブプレノルフィンはモルヒネの代わりに、持続皮下注で用いられる。第3段階の第1選択薬はモルヒネであるが、副作用などによりモルヒネが使用困難な場合にはブプレノルフィンを用いることがある。しかし、数日に渡りモルヒネを投与している場合や、大量のモルヒネを処置した後にブプレノルフィンを投与すると、モルヒネに拮抗して激しい疼痛を訴えたり、退薬症候(離脱症状)を誘発することがあるので、このような場合には使用してはならない。 ブプレノルフィンのオピオイド受容体に対する結合性が非常に強いため、その薬理作用は麻薬拮抗薬であるナロキソンでも容易に拮抗することはできない。たとえば、ブプレノルフィンの投与により呼吸抑制から呼吸不全、呼吸停止に至ったという報告があるが、このような場合にナロキソンの効果は確実でない。対応としては人工呼吸、ドキサプラムが有効(ただし、心筋梗塞症にはドキサプラムは投与不可)である。(参照−【4.16】「モルヒネとの併用を避けるべき薬剤(相互作用)」) ,ターミナルケア(2003),13,1,35 【5.8】:26 レペタンからモルヒネへの変更は、レペタンの有効限界に達する以前でも効果が不十分な場合や、レペタンの嘔気が強い場合に行われる。また、まれにモルヒネで便秘に難渋する場合レペタンへの変更もあり得る。 ,がんの症状マネジメント(1997),,,90 |
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