| 【6.3】「その他の鎮痛補助薬」 | |
| #1 【6.3】:1 「アンプラーグ」【適応外】 アダラートやケタンセリン(5-HT2A抵抗薬、わが国では市販されていない)などの末梢循環改善薬が、ときに反射性交感神経性萎縮症やカウザルギーの頑固な痛みに有効であるとの報告がある。この報告を受けて、ケタンセリンの同系薬であるアンプラーグのペインクリニック領域での臨床応用が始まっていて、良い結果が報告されている。筆者も遷延性術後痛、帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経性萎縮症、癌疼痛などのいわゆる難治性疼痛にアンプラーグを用いて良い感触を得ている。 アンプラーグの臨床上の最大の利点は、副作用がほとんど見られない安全な薬品であるということである。上述した鎮痛補助薬には、患者のQOLにかなりの悪影響を及ぼす副作用があり、これによってときに拒薬されるが、アンプラーグはこれがない。現在は、神経因性疼痛の因子がからんでいると思われる痛みには、反応を見ながら積極的に使用している。アンプラーグが難治性疼痛の鎮痛補助薬として位置づけられるかどうかは、今のところ症例数が少なく何ともいえないが、筆者はその副作用の少なさは臨床上非常に重要であると考えており、最近は鎮痛補助薬の第一選択薬としている。アンプラーグ 3錠分3毎食後。効果は1週間以内で発現することもあるが、1か月くらいかかることもある。1か月以内に効果を認めたら、定期的に肝機能などをチェックしながら数か月以上連用する。1か月で何ら効果を認めないときは中止する。 ,がん終末期・難治性神経筋疾患進行期の症状コントロール(2000),,,80 #1 【6.3】:2 日本ではアンプラーグが臨床使用に供されるとともにその慢性疼痛に対する有用性について臨床報告がなされてきた。その後、慢性疼痛に対するセロトニンの役割が注目されてその作用が明らかにされつつある。慢性疼痛に対しては、閉塞性動脈硬化症と同様に日本人では1日300mg毎食後投与が一般的である。この投与法におけるrandomized study でニューロパシックペインに対する鎮痛効果が確認されている。 アンプラーグによる慢性疼痛の治療については多施設での用量試験もなされており、150mg、300mg、450mgの投与においては、投与量の増大に伴って効果も良い傾向にあるようである。交感神経系が関与した疼痛に対しては、交感神経ブロックと併用または単独で投与する。初回投与量から一定でよいが、大体3ヵ月を目安に投与し、それ以上の投与については効果をみて判断すべきである。3ヵ月投与で効果が全くない場合には、投与を中止して他の治療法を選択する。効果がある場合は6ヵ月程度まで投与期間を延長する。また必ずしも交感神経が関与しているとは考えられない疼痛に対する効果も報告されているので、今後適応となる疼痛疾患は増加する可能性がある。使用上、特に一般的な注意点と変わるところはなく、軽度の消化器行状が副作用としては主である。 ,ペインクリニックで用いる薬100+α(2002),,,115 #1 【6.3】:3 ノイロトロピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)は、痛みの伝達の下行性抑制系を賦活することで鎮痛作用を生ずるという仮説もあるが、その作用機序は不明である。さまざまな鎮痛薬に抵抗性の難治性疼痛に、ときに奏功することがある。副作用がほとんどないので筆者もしばしば用いているが、作用機序の解明が待たれる。 ノイロトロピン(1錠4.0ノイロトロピン単位)4錠分2(朝食後と夕食後) 単独で用いることは少なく、NSAIDsに併用して用いている。 ,がん終末期・難治性神経筋疾患進行期の症状コントロール(2000),,,61 #1 【6.3】:4 テルネリン【適応外】は、中枢性筋弛緩作用を有するα2アドレナリン作動薬である。筋弛緩薬として分類され、臨床では経口投与薬として使用されているが、動物実験では、くも膜下腔投与により運動神経に対する影響を示さずに強力な鎮痛作用を示すことが知られている。 ,疼痛治療の現状と展望(2000),,,41 #1 【6.3】:5 最近、脳代謝改善薬イフェンプロジル(セロクラール)【適応外】がNMDA受容体のポリアミン部位での拮抗作用とα受容体遮断作用を持つとして注目されている。ケタミンと同様にモルヒネの鎮痛作用を増強し、耐性や精神依存、身体依存の形成を抑制するが、イフェンプロジル自体に依存形成能や精神症状はない。経口製剤があるため用いやすく、すでに癌性疼痛以外の痛みに対しては、経口投与60mg/日での臨床報告がなされている。癌性疼痛への使用報告が待たれる。 ,ペインクリニック(2002),23,12,1648 #1 【6.3】:6 セロクラールはケタミンと同様にNMDA受容体拮抗薬である。ヒトでの鎮痛補助薬としての効果は未確立である。また投与量についても確立していないが、著効例も経験する。また明らかに有効とする症例報告は散見される。 ,がん疼痛治療のレシピ(2002),,,108 #1 【6.3】:7 ニューロパシックペインに抗鬱薬、抗痙攣薬が効かないとき、ギャバロン(中枢性筋弛緩薬)【適応外】を使う場合もある。 ,今月の治療(2000),8,3,79 *5 【6.3】:8 アタラックスP【適応外】は制吐や抗不安、軽度の鎮静、内因性の鎮痛作用を有する抗ヒスタミン薬である。単独で用いられるか、またはNSAIDsやオピオイドと併用される。ペリアクチン【適応外】も難治性慢性疼痛の治療において時に試みられる。アタラックスPは肝臓でほとんど代謝される。開始量は25〜50mg経口または筋注で、4〜6時間毎、あるいは適宜とする。150mg上では明らかな天井効果が認められ、新たな鎮痛効果を生じない。 ,MGHペインマネジメントの手引き(1997),,,97 #1 【6.3】:9 カタプレス【適応外】は慢性疼痛患者のわずかにしか反応しないことが示されているが、反応する患者には優れた鎮痛が示されている。一般的には第一選択薬とはなり得ないが、難治例には考慮される。副作用としては口渇と鎮静があり、低血圧を生じうるため慎重に投与する。 ,疼痛管理シークレット(2001),,,242 #1 【6.3】:10 非癌性神経障害性疼痛に対し、比較対照研究結果により0.1〜0.3mg/日のカタプレス経口投与が1/4の患者に効果があった。癌性神経障害性疼痛では、カタプレス0.3μg/時の14日間、硬膜外腔投与により、45%の患者でオピオイドを減量できた。 α2アドレナリン作動薬の適応はオピオイド不応性疼痛であり、特に神経障害性疼痛に勧められる。投与経路は脊髄内投与の報告が多いが、経口、経皮投与も可能である。経口は低用量の0.1mg/日からはじめ、2mg/日まで増量可能である。 ,Evidence-Based Medicineに則ったがん疼痛治療ガイドライン(2000),,,84 *5 【6.3】:11 カタプレスはオピオイドによる鎮痛の増強とオピオイド投与量の減少のために、鎮痛補助薬として用いられる。難治性のニューロパシックペインには本剤を試みるべきである。初回に経口投与量は0.1mg投与1日2〜3回程度にすべきである。2、3日ごとに0.1〜0.2mgずつを増量しながら調節する。増量は、副作用が生じるか最大投与量2.4mg 1日2〜3回まで数週間かけて行う。本剤は脊髄における鎮痛効果を期待してオピオイドと併用する場合もある。 ,MGHペインマネジメントの手引き(1997),,,99 *5 【6.3】:12 笑気吸入は、全身痛、特にオピオイド増量に反応しない場合または、体動時痛に。通常、重度の疼痛のために鎮静が生じることはなく、実際、患者の覚醒レベルが高まる場合がある。 ,緩和ケアハンドブック(1999),,,14 *5 【6.3】:13 ヒルナミン【適応外】は鎮痛作用を有する唯一のフェノチアジン(15mg筋注はモルヒネ10mg筋注と等鎮痛)。非オピオイド受容体機序。便秘や呼吸抑制がない。副作用として鎮静が望ましい場合に用いる。強力な制吐作用を有する。 ,緩和ケアハンドブック(1999),,,11 |
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