| 【7.13】「しゃっくり」 | |
| 【7.13】:1 癌終末期のしゃっくりの治療として以下のものがある。 (1)吸引チューブで咽喉を刺激する、胃管を挿入する。硫酸アトロピン【適応外】を静注するなどを試みる。経口摂取が可能な場合は「柿のへたの煎じ薬」が効果を示すことがある。(柿のへた10gを水約100mLで30分沸騰させ煎じ、この煎液に水を加えて100mLとしたものを1日分とし、1日3回食間とする)効果はばらつきが大きいが、しゃっくりが始まって早期に与薬したときにはよく効くようである。これで効果がないときには以下の治療を試みる。 (2)全身状態が比較的よい患者の場合、ウインタミン【適応外】0.25mg/kgを生食100mLに混入し、15分間で点滴静注する。全身状態が悪くない患者では、この方法で血圧が変動することはまずないが、施行中は頻回に血圧を測定する。患者は軽い眠気を訴え、時には眠ってしまう。上記量で、しゃっくりが止まらないときは、さらに同量追加する。 (3)全身状態が不良の患者の場合、鍼などの治療が第一選択となる。鍼治療で止まらないときは、ウインタミンを上記の量用いるが、血圧の下降に厳重な注意が必要である。 ,がん終末期の症状コントロール(1995),,,88 #1 【7.13】:2 しゃっくりの機械的刺激法(迷走神経および舌咽神経を直接または間接的に刺激) (1)頭を低くして逆様になって、コップの向こう側から冷水を息を止めながらできるだけ多く飲む。 (2)咽頭刺激:カテーテルを鼻孔から10cmほど(第2頚椎の位置まで)挿入し、細かく動かす。 (3)その他:a、軟口蓋中央部を綿棒にて約1分間刺激する、b、舌の牽引、c、米・硬いパンを飲み込む、d、食塩水の吸入、e、バルサルバ法、f、眼球圧迫、g、直腸マッサージ、h、鼓膜刺激、i、大さじ1杯のグラニュー糖を飲み込む。 ,がんの在宅医療(2002),,,178 #1 【7.13】:3 「しゃっくりの薬以外の治療法」 多くの家庭療法があるが、これらは咽頭への刺激や血中の炭酸ガス濃度を上昇させることに基盤をおいた方法である。 ・咽頭への刺激によって作用する方法 飲む側と反対側のコップの縁に口をつけて冷たい水を飲む。 5mLのスプーン山盛りのグラニユー糖2杯を急いで飲み込む。 綿球で軟口蓋をマッサージする。 くしゃみをする。 ・血中の炭酸ガス濃度を上昇させる方法 息こらえ 紙袋を顔にあてての呼吸 「しゃっくりの薬による治療法」 可能な限り背景にある原因を治療する。単純な薬以外の治療法でしゃっくりが止まらなかったら、次のような薬で治療するとよい。 (1)活性化ジメチコンを含有した制酸薬(マーロックスプラス)【適応外】を4〜6時間ごとに使用し、効果があるなら回数を増やす。 (2)この制酸薬が無効なときには、これに加えてメトクロプラミド(プリンペラン)10〜20mgを4〜6時間ごと、またはシサプリド(リサモール)20mgを12時間ごとに経口投与する。 (3)それでもしゃっくりが続くなら、メトクロプラミド(プリンペラン)からバクロフェン(ギャバロン)5〜lOmgを6〜12時間ごとの経口投与に切り替える。 ジメチコンは抗鼓腸薬であるが、げっぷを促す作用がある。げっぷにより胃の膨満が軽減する。メトクロプラミド(プリンペラン)は胃内容物の小腸への移動を促進し、バクロフェン(ギャバロン)は横隔膜を弛緩させる。 {抗精神病薬} クロルプロマジン(ウインタミン)【適応外】は、上記の薬による治療法が無効のときにのみ使う。10〜25 mgを6時間ごとに経口投与または筋肉内注射で数日は続けるべきである。 クロルプロマジン(ウインタミン)とメトクロプラミド(プリンペラン)を併用すべきではない。ブロルプロマジン(ウインタミン)がメトクロプラミド(プリンペラン)の胃の運動を促進する作用をブロックするからである。さらに、双方とも抗コリン作動性作用の薬であるため、併用は錐体外路系の有害事象(例えば、痙性斜頸、運動不穏)の発生を増加させる。 ハロペリドール(セレネース)【適応外】はクロルプロマジン(ウインタミン)より鎮静作用が小さいので、クロルプロマジン(ウインタミン)の代わりに使われることがある。推奨されている投与開始量は1〜5mgの経口投与または皮下注射、引き続いて1〜5mgの就寝時ごと、あるいは12時間ごとの投与を行う。 ,終末期の諸症状からの解放(2000),,,64 *5 【7.13】:4 しゃっくりの薬物療法 プリンペラン2分以上かけ10mg筋注、または4時間毎に繰り返す。セレネースは2〜5mg筋注、維持には1〜4mg経口1日3回。セレネースは有効率が高い。ウインタミン25〜50mg筋注。 ,緩和ケアハンドブック(1999),,,114 【7.13】:5 しゃっくりの薬物治療として以下の方法がある。 ランドセン 1回0.5mg、頓用【適応外】 キシロカイン 1回1〜2mg/kg(2%注射液で)、生食500mLに溶解し点滴静注、頓用【適応外】。 キシロカインの注射は淀川キリスト教病院ホスピスでは良く行われており、比較的有効率が高い。効果があれば継続投与することもある。持続皮下注入の場合は、10%注射液を使用して800〜1200mg/日を投与する。 ,緩和ケアマニュアル(ターミナルケアマニュアル第4版)(2001),,,162 |
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