【7.14】「痒み」
  #1
【7.14】:1
 胆汁うっ滞性のかゆみ
 胆汁うっ滞あるいは胆道閉塞による黄疸のある患者の多くで、強いかゆみが大きな問題となる。ときには胆道閉塞部の手術が可能であり、手術後にかゆみが消失する。胆汁うっ滞性のかゆみに使うべき薬には次のものがある。

・アンドロゲン系の薬:スタノゾロール(ウインスタノール)【適応外】5〜1Omgを1日1回経口投与あるいはメチルテストステロン(エナルモン)25mgの1日2回の舌下錠〔日本では舌下錠は入手できない〕として投与するが、効果が現れるまでに5〜7日かかる。
・リファンピシン(リファジン)【適応外】150mgを12時間ごとに経口投与。
・オンダンセトロン(ゾフラン)【適応外】の8mgの静脈内注射は、急速な緩和をもたらす(30分後)。維持量は4mgの12時間ごとの経口投与である。
〔注〕コレスチラミンは一般に無効で、胆汁うっ滞性のかゆみの治療には推奨されなくなった。
,終末期の諸症状からの解放(2000),,,104

#1
【7.14】:2
 パロキセチン(パキシル)【適応外】も痒みに対して効果が早く、数か月にわたり有効性が保たれる。シナプスや血小板においてセロトニンの再取り込み阻害として働く。副作用としては投与初期に吐き気がみられる。しかし、投与を継続していくとシナプス後膜の受容体がdownregulateされ、セロトニンの遊離は減少する。この受容体が抑制性であれば、このdownregulationは神経発火の増加を2〜3週以内に招く。これがおそらくパロキセチンの有効機序である。もし、受容体が興奮性であれば、downregulationは抑制性の働きをする。後者がおそらくパロキセチンのかゆみに対する影響であると考えられている。これはオンダンセトロンの5-HT3受容体に対する影響と同様である。抗鬱効果と抗かゆみ効果の解離は、5-HT3のdownregulationが通常のセロトニン受容体のものと比べ著しく早いと思われる。
,鎮痛・オピオイド研究最前線(2002),,,87

*5
【7.14】:3
 閉塞性黄疸の患者は極端な皮膚掻痒症に苦しめられることがよくある。キュウリを液状にして1日3回皮膚に塗布すると、ほとんどすべての黄疸患者のかゆみを除去できる。副作用はない。
,終末期ケアハンドブック(1993),,,148

*5
【7.14】:4
 うっ滞性黄疸の場合、メチルテストステロン【適応外】は時に黄疸を増悪させるが、激しい痒みに有効なことがある。
,ターミナルケア医学(1989),,,194

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【7.14】:5
 腎不全が関連したかゆみには、ゾフラン【適応外】が有用なことがある。
,終末期の諸症状からの解放(2000),,,103
   
 

 

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