【7.19】「高カルシウム血症」
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【7.19】:1
 嘔気・嘔吐だけでなく、傾眠、口渇、多飲、多尿、全身倦怠感、食欲不振、便秘、せん妄などの症状がみられたら、まず高カルシウム血症を疑うことが重要である。肺癌や食道癌、頭頚部腫瘍などの扁平上皮癌、乳癌や多発性骨髄腫によくみられる。高カルシウム血症と骨転移との間には相関関係はない。治療で改善する場合があるが、治療するかどうかは総合的に判断する必要がある。
,緩和ケアマニュアル(ターミナルケアマニュアル第4版)(2001),,,88

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【7.19】:2
 高カルシウム血症による意識障害では患者は傾眠傾向になることも多く。このことが苦痛に対するる閾値を上昇させる。したがって、治療を行うと逆に意識レベルが上がり、全身倦怠感などの苦痛が増強することもよく経験される。
 加齢やステロイドによる骨粗鬆症に対して投与されているビタミンD製剤が、病状の進行による衰弱や脱水によってビタミンD中毒を引き起こし、高カルシウム血症が出現することがある。高カルシウム血症を認めた患者で、ビタミンD製剤が投与されている場合には、まずこれを中止する必要がある。
 生命予後が厳しい場合には、カルシウムの是正が逆に患者の苦痛を増す場合がある。患者の全身状態と生命予後をナースを含めたチーム全体で判断し、治療方針を決定する必要がある。
,誰でもできる緩和医療(1999),,,102

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【7.19】:3
 水分補給と生食による利尿は高カルシウム血症治療の基本。ラシックスは循環血液量不足の危険性増大および低k血症、低Mg血症、アルカローシスの原因となり、有用である証拠はない。しかし必要な水分負荷に耐えられない患者には有用な場合がある。
,緩和ケアハンドブック(1999),,,263

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【7.19】:4
 高カルシウム血症に対する薬物療法として、アレディアが最も有用であるが、効果発現まで数日かかるので、緊急時にはカルシトニンの投与を行う場合がある。重度の高カルシウム血症患者の場合、カルシトニンとアレディアを併用することにより早期に高い効果が期待できる。カルシトニンは効果発現が速やかで、投与後数時間で効果が認められる。しかし、数日以上投与すると、効果が減弱する場合が多い。また作用自体も弱く2mg/dL以上の減少は望めないことも多い。
,最新緩和医療学(1999),,,160

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【7.19】:5
 エルシトニンは速効性は認めるものの効果が長期に保たれない(エスケープ現象)。ビスフォスフォネートが使用されるようになってからは、緊急時の数日間のみの投与としている。
,緩和ケアテキスト(2002),,,111

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【7.19】:6
 高カルシウム血症に対するアレディアの投与は十分に脱水が補われ、十分な尿量を示すまで投与してはならない。最大効果は4〜5日後に認められる。発熱を予防するため、ピリナジン500mgの内服と併用するのが最適である。
,緩和ケアハンドブック(1999),,,263

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【7.19】:7
 高カルシウム血症に対するアレディアの使用。本剤は腎での再結晶化を予防するため、4時間以上かけて点滴する。血清カルシウム値は24〜48時間後より低下し始め、5〜7日目で最も低下する。この効果は7〜14日間ほど持続する。
,最新緩和医療学(1999),,,160

 
【7.19】:8
 悪性腫瘍における高カルシウム血症において最も注目すべきは中枢神経系の症状で、情緒不安定、傾眠などがみられ、原因不明のまま放置あるいは誤診されれば昏睡から時に死に至る。悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症とそれに伴う臨床症状の特徴は原発性副甲状腺機能亢進症の場合と異なり急速に出現することであり、迅速な治療が必要で、これによって、たとえば意識は静明となり、QOLの面からも極めて重要である。
,緩和医療学(1997),,,120

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【7.19】:9
 コルチコステロイドは腫瘍に対する直接的な増殖抑制作用や、PTH-rPやサイトカインの産生を抑制することによって高カルシウム血症に効果を示す。特に、リンパ腫、骨髄腫、転移性骨腫瘍、乳癌、前立腺癌、ビタミンD中毒は有用である。効果が出現するまで数日を要する。
 ベタメタゾン(リンデロン)
 錠剤:1回1〜2mg、1日1回朝または1日2回朝・昼。
 注射剤:1回2〜4mg、1日1回静注または点滴静注
,緩和ケアマニュアル(ターミナルケアマニュアル第4版)(2001),,,141
   
 

 

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