【7.5】「口腔内ケア」
  【7.5.1】「口内炎」
   

#1
【7.5.1】:1
 口内炎による疼痛管理
(1)非ステロイド系抗炎症薬による含嗽:ケトプロフェン(メナミン)【適応外】 1Aを水100mLで溶解し、1回25mLを使用し含嗽する。疼痛のために食事摂取が困難な場合は食前に施行する。
(2)局所麻酔薬(4%リドカイン(キシロカイン)液)の患部への塗布や、4%リドカイン(キシロカイン)液を100倍希釈し含嗽する。しかし、含嗽では苦味による苦痛が強い以外に、味覚・温度感覚の低下を伴うため、食前や口腔ケア前の綿棒による局所的な塗布がQOLの向上・維持に効果的である。咽頭痛による嚥下困難に対しては食前に、2%リドカイン(キシロカインビスカス)をスポイトを使用し、舌に触れないように投与することで、食事摂取を可能にする。
(3)激しい頑固な疼痛に対しては、定期的または24時間持続的なオピオイド投与が必要となる。
,がん治療の副作用対策と看護ケア 第2版(2000),,,125

#1
【7.5.1】:2
 口内炎にたいする院内製剤として、ケトプロフェン(メナミン)を使った薬剤がある。鎮痛・解熱作用がある非ステロイドの抗炎症剤の注射剤であるメナミン1アンプルを水100mL で溶解し、1回当たり25mL 使用する。1回に100mL使っても問題はないので、いったん25mLでうがいをし、それでも取れないようなら再度使用するようにする。今までの経験では、だいたい25mLで痛みは取れているようである。ただし、舌のしびれ感を伴い、使用を拒否する患者もいるので、第一選択にはしていない。
,ホスピスケアの実際(2000),,,90

#1
【7.5.1】:3
 口内炎に対するインドメタシン水溶液による鎮痛法
 筆者らは、インドメタシン1.252%水溶液を調剤している。使用方法 スプレー、スポイトまたは綿棒塗布などで薬液を局所に少量付着させる。一般的には携帯用小型スプレーが便利である。効果は数分〜10分程度で発現し、3〜数時間持続する。使用頻度は数回〜10回/日程度となる。痛いとき、食前、口腔ケア前に使用するとよい。
,わかるできるがんの症状マネジメントU(2001),,,103

#1
【7.5.1】:4
 口内炎予防、乾燥に対するケア
 国立がんセンター東病院では、熱処理済み白ゴマ油の塗布を積極的におこなっている。患者に100mLのゴマ油と滅菌綿棒を渡し、頻回に(起床時、毎食後、眠前、夜間覚醒時、その他乾燥したとき)口腔全体に塗布する。無味無臭であるため、患者に不快を与えることはほとんどない。
,がん治療の副作用対策と看護ケア 第2版(2000),,,123

 
【7.5.1】:5
 化学療法や癌終末期の口内炎で痛みの強いとき、2%キシロカインビスカスとマーロックスを等量混ぜ、これを10mLずつ3時間ごとに口に含み2分間そのままにしてから吐き出すとよい。
,がん終末期の症状コントロール(1995),,,98

*5
【7.5.1】:6
 口腔粘膜の潰瘍に、アルサルミン【適応外】1gを口腔内に広げる。
,緩和ケアハンドブック(1999),,,99

     
  【7.5.2】「口渇」
    #1
【7.5.2】:1
 口渇感は輸液をしてもしなくても発生する。しかし、患者が衰弱していけば水分の経口摂取は難しくなりがちになるので、看護師は水分補給の方法を考える必要がある。常にベッドサイドに水や氷水、綿棒などの口腔ケアをする用具を用意しておくとよい。水分補給には氷が最適だと思われる。たびたび口にできるよう看護師が介助していくことが大切である。
,ホスピスケアの実際(2000),,,167

#1
【7.5.2】:2
 市販されているシャーベットにはかなり糖分が含まれ、後味が悪いようです。そこで、緩和ケア病棟では、ボランティアや看護師が果汁や、日本茶、抹茶、100%果汁のジュース類などをシャーベットにして患者さんに差し上げるようにしています。これはかなり好評です。患者さんがいちばん好むのは、シンプルなかき氷です。冬場は人手が難しくなりますので、病棟にある製氷機でできるザラ目状の氷でかき氷を作るようにしています。シロップやブランデー、梅酒などをかけると、食べやすいと好評です。そのような工夫を試みながら、少しずつでも水分補給ができるように心がけています。
,ホスピスケアの実際(2000),,,168

#1
【7.5.2】:3
 人口唾液(サリベート)は頻回に使用しても、アレルギー以外には主だった副作用はみられないが、特有の臭い、味、粘りが不快だとする患者が多く、使用を中止してしまうことが多いのが問題。就寝前だけでも噴霧するよう指導してもよいが、冷蔵庫で冷やしてから用いると不快感がなくなることもあるので試してみるのもよい。
,口内炎、口腔乾燥症の正しい口腔ケア(2001),,,45
     
  【7.5.3】「口臭」
    *5
【7.5.3】:1
 口腔内感染で、最も多いのはカンジダであるが、カンジダの感染のみで口臭の原因となることは少ない。齲歯に嫌気性菌感染があるとしばしば口臭が起こる。経口フラジール【適応外】400mg 1日2回が有効である。
,緩和ケア実践マニュアル(1996),,,175

*5
【7.5.3】:2
 すべての癌患者に口腔内の清潔の保持を欠かせてはならない。定期的な義歯の洗浄。できれば0.2%ヒビテンを使う。充分な飲水も必要。口臭の原因が明らかでない場合は、経験上、フラジール200mgを1日3回、5日間使用するよう勧めたい。
,緩和ケア実践マニュアル(1996),,,176

#1
【7.5.3】:3
 義歯を使用している患者に口腔内カンジダ症、口内乾燥、不十分な口腔内ケアのいずれかが起こった場合、義歯を毎晩はずし、完全に清掃し、1%次亜塩素酸ソーダ液に翌朝まで漬けておく。または義歯を8時間にわたって乾燥させる。
,終末期の諸症状からの解放(2000),,,78

*5
【7.5.3】:4
 胃内容物の停滞による食道への逆流は、口臭の原因になる。プリンペラン(10mgを1日4回)、ナウゼリン(10〜20mgを1日4回)が有効である。
,緩和ケア実践マニュアル(1996),,,176
     
  【7.5.4】「その他の口腔内症状」
    #1
【7.5.4】:1
 舌苔で舌が真っ白になると、オキシドールを20倍に薄めた含嗽水でうがいを行う。舌苔がひどければ、ゴム製のブラシで舌を1〜2回ブラッシングするときれいにとれる。出血がみられる場合には、トランサミンが最適である。錠剤でもアンプル剤でもかまわないが、これを20倍ぐらいに薄めて含嗽すると止血効果がある。
,ホスピスケアの実際(2000),,,93

*5
【7.5.4】:2
 ステロイドを使用している患者の口腔内カンジダ症で問題となるのは主に経静脈的投与であるが、内服でも同様である。筆者の経験によれば、およそプレドニン20mg以上、デキサメタゾン4mg以上のステロイドを2週間以上にわたって投与している患者の場合は注意が必要である。この場合、投与に先立って口腔内の状態を観察し、記録しておく必要がある。また、症状消失後はさらに2週間程度観察を継続し、口腔内培養の結果をみて観察記録、含嗽などを中止する。
,ターミナルケア6月増刊号(1999),9,,88

*5
【7.5.4】:3
 唾液漏は口腔内腫瘍によっておこる悲惨な状態である。食道の腫瘍で唾液を嚥下できない場合も、これと同様に流涎が多くなる。苦みの強いビールやみょうばんの含嗽薬、2%アトロピン数滴を使用すると、唾液の分泌を抑制することができる。アトロピン錠0.6mg、1日2回の経口投与も有効であろう。口唇や顎の保護用には、保護クリームを用いたり、唾液を拭くために柔らかな古い麻布を十分に用意しておくことも重要である。
,終末期ケアハンドブック(1993),,,136
   
 

 

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