| 従来の研究報告 | ||
| 分子認識 | ||
| 分子の大きさや形を見分け、ある分子にだけ特別に強く結合する新しい分子を作り出すこと、特に右手と左手の関係にある分子(対掌体)を区別するキラルな分子を作り出すが分子認識である。右利きの方は右利きの方とスンナリと握手できるが、左利きの方とはどうであろう。この二つの出会いに握手のしやすさと、しにくさの違いがあるように、対掌体とキラルな分子のそれにも握手(水素結合などの可逆的な結合)の起こり具合に違いが生じる。 こうした分子と分子の間の相互作用(結合)をNMRやIRなどの分光学的測定法を通して明らかにするとともに、計算機によってこれをシミュレーションし、どのように結合し、なぜ識別が起きるのかを解き明かしている。 | ||
| 温度感応性ポリマーの開発 | ||
| ペプチドや、蛋白質におけるアミド結合の間の水素結合は3次元構造の形成や、リガンドとの結合に重要である。これまでにアミノ酸ジアミド成分を含有する直鎖状ポリマーにおいて、アミド結合を化学的に修飾することで水溶性と不溶性の間の状態変化に係わる臨界温度を制御できること、およびポリマー中のアミノ酸残基に対してカルボキシル基などの官能基を導入することでpHや温度に依存して凝集状態が変化するpH/
温度感応性が得られることを明らかにして来た。 また、pH/ 温度感応性のポリマーを含む高分子ヒドロゲルの合成し、薬物などの分子の取り込みと放出の過程をコントロールできることを明らかにした。 |
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| キラルな温度感応性ポリマーによる光学分割 | ||
| キラルなアミノ酸ジアミド構造を有する温度感応性の鎖状ポリマーをシリカゲル表面に結合し、シリカゲル表面のポリマー層が温度の変化により可逆的に膨潤ー凝集の形態変化を起こすことを蛍光測定により明らかにすると共に、薬物などの試料の保持を温度により調整すること、および薬物の対掌体対を液体クロマトグラフィーへの応用により光学分割することに成功した。 また、従来より温度感応性ポリマーとして知られてきたポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)の鎖中にアクリルアミドを結合したβ-シクロデキストリン(CD)を加え、温度感応的に伸展?膨潤する混合ポリマーを合成した。こうしたポリマーを3-メルカプトプロピル基を結合したシリカゲル表面に結合して、各種の対掌体を分割し、シクロデキストリンの享受する疎水的な環境の変化と分割能との関係を明らかにした。 |
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| 分子鋳型法による対掌体の分離 | ||
| また、これまでに高分子ヒドロゲルよりも高度の架橋性をもつポリマーを用いる分子鋳型法(Molecular Imprinting technology) によるキラルなジアミン類の対掌体の分離を達成し、分子認識性の鋳型ポリマーと鋳型分子(ポリマー合成過程で予め加えておく分子)を複合化し、鋳型分子に付与した官能基性による分子認識の可能性を検討するため、アビジンービオチンシステムを選び、修飾したビオチン分子と選択的に結合する鋳型ポリマー(人工アビジン)を開発した。 | ||
| 3次元医薬品構造データベース(3DPSD) | ||
| 3DPSDは最新版の医療用日本医薬品集に収載されたおよそ1300種の医薬品の構造をマルチメディア表現で公開するデータベースで、年間およそ60万件のアクセス数を記録している。このデータベースは医薬品の一般名や、IUPAC名、分子式、分子量などの一般的な情報に加えて、医薬品ごとにその分子の最も安定な構造と、分子の運動性を表したアニメーション、こうした運動から引き出される配座異性体の分布、電子の密度面に静電ポテンシャルを表示した静電ポテンシャルマップ、水?オクタノール間の分配係数のlog値などを構造情報として収載している。 これら各種の3次元構造はプラグインChemscape Chime(MDLInc.)およびJava Applet, Chemis3Dを用いて、インターネット上で自由に回転や拡大、平行移動などを行うことができる。 また、3DPSD収載の構造ライブラリーをインターネットから部分構造により検索できるシステムを開発した。このシステムはChemaxon社製のJChemソフトウエアにより構築され、分子指紋と呼ばれる特徴的な構造表現を用いて医薬品構造の類似性をクラスター分析することができる。今後、医薬品の類似性と薬効や副作用の関連を追跡する。 |
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| 併用禁忌データベースの開発 | ||
| 添付文書の「併用禁忌」の項目に存在する表現を調査対象として、医薬品情報を提供する立場にある企業と、それらの情報を利用する立場にある薬剤師とにアンケート調査を行った。そして、その結果から「併用禁忌」に記載されているすべての表現に対応する医薬品を確定し、双方向性の確保された併用禁忌データベース(DB)の構築を行った。さらに近年の急速な医薬品情報の変化に伴う伝達の高度化に対応し、かつより多くの人がその情報を利用できる手段としてインターネット公開型のDBの作成を検討した。 | ||
| 薬学情報教育のための教材開発と情報公開 | ||
| 本学1年次に開講する情報リテラシー教育のコースIおよび IIでは各種の授業教材をインターネットに公開している。これらの教材の公開を遠隔教育の実験と位置付け、動画配信を含めた次世代の大学教育のあり方を模索する。 | ||
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